ちょっと前、道ばたでこんな言葉を耳にした。
「昨日、でぶの友達がさあ・・・」

!!!

僕は思わず絶句した。涙した。デブに対する同情を禁じ得ない。ああ、なぜにそこまで、デブは迫害されるのだ・・・・。

「でぶ」 その人は、本当はノーベル賞もかくや!というほどの秀才かもしれない。あるいはメジャーデビューを目指して悪戦苦闘しているミュージシャンかもしれない。もしかしたら、だれもが羨むような財閥の御曹司の可能性だってある。

そのようあらゆる可能性を、たった一言で閉ざしてしまう悪魔の言葉 「でぶ」。ああ・・。


まあ、けれども、正直言って、だれでもデブにはなりたくないものさ。当たり前さ。だって、あけすけに言うとさ、もてないし、暑苦しいし、見栄え悪いしね。デブの中のエリート、オスモウサンにしても、褒められたもんじゃない。相撲なんて、デブがペチペチやってるだけのスポーツ。

ところが、僕にも目前にデブの脅威が迫っている。会社の健康診断によると「軽肥満」。いわゆる「プチデブ」。

人生の墓場、デブ。まさか自分がデブってしまうとは、不覚。

でも、デブにも生きる楽しみがあるはずだ。例えば、おそらくデブるんだろうと自覚しながら、銀河高原ビールを飲んで、ぜんざいをむさぼり食うなど、自らへの自虐的行為。その倒錯的快感。これに優るものなし!?

終わり無き日常を、僕はデブりながら生きていく。


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