「秘密」 東野圭吾
2003年9月10日「秘密」 東野圭吾 新潮文庫 ブックオフで300円
寝食を忘れて読みたいと思った小説は久しぶりだ。(実際には仕事への影響も考えて、それなりに寝てちゃんと食べたが。) 読んでいる間、何度か目頭が熱くなった。仕事のストレスが溜まっている心が、優しく融けていった。ページをめくる速度が異様に早かった。早く結末が知りたいという気持ちと、いつまでも終わって欲しくないという相反する気持ち。
テクニック的にいうと、まず文体が非常に平易で読みやすい。ともすれば、センチメンタリズムの「お涙ちょうだいもの」に流れていきそうな題材を、東野氏は、抑えた筆致で淡々と描いていく。読者によっては物足りなく思うだろうし、だから人間を描くことを重視する直木賞もとれなかったのだろうが、読後感は非常に爽やかで希望が持てる。すがすがしい。
ラストの「秘密」は、いかにも推理小説家の面目躍如といったところで、やや強引ではあるが、深い感動と余韻を呼び起こす。
間違うことなく、名作だ!!
(いつもながらに欠点を指摘するなら、作品内の時間が早く流れすぎ性急な印象を受ける点があるが、それもまあ感動の前には吹き飛んでしまうささいなもの。)
評価→◎◎。300円どころか2000円の価値はあるっちゅうねん!
寝食を忘れて読みたいと思った小説は久しぶりだ。(実際には仕事への影響も考えて、それなりに寝てちゃんと食べたが。) 読んでいる間、何度か目頭が熱くなった。仕事のストレスが溜まっている心が、優しく融けていった。ページをめくる速度が異様に早かった。早く結末が知りたいという気持ちと、いつまでも終わって欲しくないという相反する気持ち。
テクニック的にいうと、まず文体が非常に平易で読みやすい。ともすれば、センチメンタリズムの「お涙ちょうだいもの」に流れていきそうな題材を、東野氏は、抑えた筆致で淡々と描いていく。読者によっては物足りなく思うだろうし、だから人間を描くことを重視する直木賞もとれなかったのだろうが、読後感は非常に爽やかで希望が持てる。すがすがしい。
ラストの「秘密」は、いかにも推理小説家の面目躍如といったところで、やや強引ではあるが、深い感動と余韻を呼び起こす。
間違うことなく、名作だ!!
(いつもながらに欠点を指摘するなら、作品内の時間が早く流れすぎ性急な印象を受ける点があるが、それもまあ感動の前には吹き飛んでしまうささいなもの。)
評価→◎◎。300円どころか2000円の価値はあるっちゅうねん!
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