直木賞作家、藤田 宜永の恋愛小説「樹下の想い」を読む。
 以前買った「鋼鉄の騎士」ハードカバー版は、古本で100円とお買い得だったものの、分厚すぎて読みにくく途中で断念、残念、無念。
 で、「樹下の想い」は・・・いい意味でも悪い意味でもオヤジ恋愛小説である。
 始めの方で、「お転婆」なる死語が出てきて、いまどき「お転婆」なんて誰も使わねーよ!おい!おい!おい!どーしてそんな言葉を使うんだい!!と、なかやまきんにくん風ツッコミをいれてしまったよ。読む気が失せたが、我慢して読んでいると、案外いいんです(川平慈英風)! これが。
 がんこおやじの不器用な恋。何が起こるわけでもないねんけど、静かに流れるような日々。抑えた筆致が冴え渡る。
 1カ所、どうしようもなくご都合主義的なとこがあってちょと興ざめしたが、それ以外は、もどかしい大人の恋愛模様。肉体関係のある恋よりも、プラトニックな恋の方が却って扇情的だと知ったよ。

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